ノータイトル

感想を書くのは楽だけど生活を説明するのは恥ずかしい

久々に向き合いたい

 

 

 

2017年夏、19歳で派遣社員として入った会社を、正社員の役職者となってから惜しまれながら辞めた。

2017年冬、興味のない事業内容だったが規模もでかく金もそこそこ出してくる会社へ転職。

すぐに受け入れてくれるという話からいきなり3ヶ月入社を待ってくれと言われ、仕方なしに了承した。遊んで暮らしても良かったけど、自分の性格上、絶対堕落して終わってしまうから入る会社の事業と少しだけ関連するバイトをやった。所長がクズで2ちゃんでめちゃくちゃ叩かれてたり、パートのお姉さんに初対面で「あなたはちゃんとしてそうだから言う。ここから早く逃げて」と言われたが、3ヶ月きっちり働いた。私の送別会は、所長のポケットマネーだということで、お姉さん含むバイト全員で死ぬほど飲み食いし、所長を先に帰らせてみんなでガッツポーズをして辞めた。ゆったりとした夏だった。

(関係ないが、この時、付き合ってる人がいきなり冷たくなったり、連絡の頻度があからさまに落ちたわりにツイッター上で特定の女性とエアリプし合ってたりして、何故か2人でそこで会ってるんじゃ…と昼間の中野ブロードウェイをさまよった事があった。暑過ぎて気が狂ってた。)

 

 

夏が終わっていよいよ受かった会社へ入社した。もう10月になっていた。

営業職として、ITに携わる機会も多かったのでかなり嫌々そういった資格試験を受験、見事2回落ちた。興味のない事を強制された途端、嫌悪感に染まって苦痛でしかなくなってしまった。飲み会で好きな体位を聞かれたら「普通に正常位」と言って、涼しい顔をしたけど「最近いつセックスした?」という質問には「ンーーーー」といって返さなかった。隣の人は「昨日」「公園で」と言い放って一躍ヒーローになった。私は、この会社と合わなかった。上司とも、先輩とも、同期とも。だれとも。

大学時代の武勇伝を語られたら、へーすごい、と言って強くもないのに酒を飲んだ。世界で一番つまらなさそうな顔をしていた事だろうと思う。そして、実は、その場にいる中で一番つまらないのは私自身だった。

100名以上いるフロアで、いきなり呼びつけられて大声で罵倒された事を、屈辱を、多分ずっと忘れられないと思う。

そのうち瞼の痙攣や胃痛が止まらなくなったり、ビルの1階から7階までを登る間に過呼吸になったりして、辞めた。2018年8月。

入社から1年も経ってなかった。直前の話し合いで、上司からは有給を取得するなという旨の発言があったため、最後の話し合いではとてもわかりやすくスマホを配置して「録音してますよ」とアピールした。前回とは打って変わって、すんなり有給を消化出来ることになった。実は「辞める」と決心してから、体調もだいぶ回復していたので「証拠を残されてる、という恐怖に怯えろ」という復讐心すらあった。録音は、まだ消してない。バーカ

 

最近、同じく辞めた先輩から、例のあの上司が妊娠したらしい、と聞いた。すっかり母親の顔して穏やかに過ごしてるとも。好きにすればいい。あの甲高い声やべっとりとした喋り方を一生忘れてやらない。せいぜいお幸せに。

 

実はこの少し前に、前に辞めた会社の偉い人から連絡がきていた。常に人材不足な業界ではあるけど、M&Aによる店舗増加に伴い、圧倒的に人手が足りなくなってしまった。去年辞めた役職者片っ端から連絡している。戻らないか、ということだった。仕事や人間関係が嫌になって辞めたわけでもなかったし、幹部からのお誘いは素直に嬉しかった。私でも必要としてもらえるのかと嬉しかった。少し検討させてくださいと返事をして、他に2社ほど受けながら色んなことを検討し、結果として辞めた会社に出戻った。2018年8月。実質、退職日の翌週には復帰した。驚きのスピード感で動いた夏だった。

 

長期経験者で、元役職。元最高資格持ち。ブランクも1年ほど。歓迎されないわけがなくて、条件もかなり優遇してもらって復帰した。それなりにストレスがあって、それなりに楽しい。接客は天職だと再認識した。

客と接する瞬間、スイッチが入って、喋る、察する、見る、気遣う、笑う、笑わせる、頭を下げる、話を整理する、結論から言う、年代や人柄によって話し方や接し方を変える、表現を変える、お客様でなくお名前で呼ぶ、なにもかもが普段の自分とがらりと変わって、自分でないみたいに明るくなったり、落ち着いたり、共感したり、あえて少し怒ってみせたり、大げさに喜んだり…とにかく接客は楽しい。

対法人では得られない快感と面白さが常にある。

「こんな人間、普通の生活してたら出会えないぞ!」という非常識極まりない最悪の客でも「そういうデータ」として私の中に蓄積される。「データ」に存在しないタイプの客と出会った時、身震いに近い感覚に襲われる。データベースにまた刻む。でもいつか忘れる。くるくると毎日を送ってきて、もう9ヶ月。

 

できればずっと接客だけしてたいけど、そういうわけにもいかない。19歳で派遣社員からスタートした私は、辞めた時期を除けば、トータルカウント5年目の中堅社員だ。

当然役職者として、この会社で上がっていくんだろう、上司もそれを期待してるし、そのつもりで戻ってきたと思われてる。

 

 

 

「復帰してみて、仕事は楽しい、それは見ていてもらっててわかると思うんですけど、異動してから毎月残業も40時間近くいってて、あの、どうしても、やっぱり、休みを取る度にご迷惑かけるのも心苦しいし、この先のこととか考えて、あの、せっかく上に推してくれてるのに申し訳ないのですが、その………………」

上手く言えない言葉は少しづつ補完していって、わかってもらえた。仕事をちゃんとすること、大変評価してもらえてること、それでも自分の人生が一番大事だから、一番自分にいいように進もう、そう言ってもらえた。

気が付けばわがままばかりを実現させてる。

長年お世話になった会社を辞める事。入った会社をすぐ辞めたくなって辞めた事。無慈悲に辞めたくせに出戻った事。それでまた辞めようとしてること。いつも自分の為に動いてるのに、うまくいかないことばかりで嫌になる。

もう少し上手く、もう少し痛くない方法で、今度は、自分のやりたい事を、やらなきゃ。

 

 

 

 

 

 

また、夏がきます