君といるのが好きで あとはほとんど嫌いで

花がそこかしこに飾られた喫茶店で年季の入ったステンドグラスの照明がテーブルの上で何かを守るみたいにあたたかく光ってて泣いた 気がする

酔っ払って呆けた顔してたら「エンドロール流れてるよ」と言われたところから「自分の人生のエンドロールに演者・協力者・製作者としてだれの名前が載り、音楽は何が流れるだろうか」という話になった 考える手間もかけず一瞬で「ストレンジカメレオン」と口にしていた そうしたら友人たちが「君といるのが好きで」「あとはほとんど嫌いで」と呟くように歌ったのでああこんな幸せなことはないと思えた 本当はだれの名前が載るのかも言及したほうがよかったかもしれないけどそれについては誰も何も言わなくて笑った

あんな時間はきっともう二度とこないからあの夜を思い出すと早く死んじゃいたくなる

外に出て今度は 笑えれば を合唱して噴水の淵で寝たら脱げた靴を履かせてもらいタクシーに押し込められ帰った 

酒を飲んでも飲んでも全然強くなれず煙草の本数だけが増えていく アルコールへの耐性ができる前に切り上げる理性はあるのに色々なことがうまくいかない

生活は難しい 必要なものを選んで買うことが面倒  必要な人だと決めることはかなり怖い とにかく社会や他者との関わりを絶ってばかデカい黒い袋の中に入って落ち着きたい衝動に駆られる 付き合ってた人と別れてどれくらい経ったか数えるださくてしょうもない瞬間がみんなにもあって欲しい  もし嫌じゃなければ私の名前をみんなのエンドロールに載せてね