日常会話をしてるはずなのに漫画みたいだと思ってしまう

 

「よ〜し食べるぞ」と思って目を開けると目の前にあるのはヤニ臭いコートと毛羽立ったニットだけだった。そういうことがよくあって驚く。食欲があるのに食品に関心がない。とりあえず食べるを繰り返してかなり太った。異端でいたいわけないのに普通のことがださいと思えて苦しい。健康で純粋なものを見ていると感謝と同時に死んだ方がマシと思えてくる。大槻ケンヂに似ている人を今日も探す。駅の階段をトトン、トトン、トトンとリズミカルに降りる足の細い男が気になった。目で追ってみたが普通に歩いて改札を出て行った。不満だった。他人におもしろいを期待してしまう悪癖がそのうち膿んで死ぬことだろう。死ぬ前にお前とコントがやりたかった。