1位

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今日の星占いでは、かに座が1位だった

 

職場へ向かう電車の中で、いつになくまじめに禁煙を考えていた。電車を降りて、駅備え付けの喫煙所で2本吸った。ふざけているのではなく、吸いながら禁煙を真剣に考えたのだ。答えはまだ出ない。ずっと、長い間こうしている気がする。

メンソールが強いカプセルのを、長い事好んでいて(その前はキャスターマイルドだった。いつの間にかウィンストンと呼ばれるようになっていた。あの匂いって性的興奮を焚き付けるなにかがある)、タールを半年かけて8ミリから5ミリ、また半年かけて1ミリへ下げて、これに慣れてからもう3年経つ。最初のうちは「8本吸って昔の1本分」と、たぶん、たばこのタールを下げた喫煙者みんなが言うほんとつまらない冗談を、私も例に漏れず口にしながら喫煙量は目に見えて増えて、徐々に落ち着いていった。いわゆる禁断症状が他の人よりも顕著で、8ミリに依存していた頃は、たばこが切れると仕事中に吃りが酷くなったり、頭が真っ白になったり、貧乏ゆすりが止められなくなったりして、病気と変わらなかった。上司が気を遣って、もう見てられないから吸ってこい、とよく言ってくれたけど、どんどん悪化して、声が低くなったのを自覚して恐ろしくなった。

(たかがタールを下げただけだが)奮起してから4年経って、1ミリを2日で1箱消費する程に落ち着いた今も、ニコチン依存とはちがった思い入れを持っていて、それは何にも意味がなくて、だれかが言うように百害あってなんちゃらで、それでも、何度も何度も何度もした決意を淀ませるほど、なくなると、たぶんさみしい。

 

 

かに座が1位になるのはあまりないことだから、正直1日浮き足立ってたかもしれない。

仕事帰りには宝くじを買って「当たったら、誰と、何をしよう」とにんまりして、はっとしたのだった。心の中に、誰かがいてしまう病気なんだと思う。いろんな顔をうかがっては、その人の為に、何かした方がいい気がしてくる。

同じだけ返ってこないとして、誰もこっちを見てないとして、愛されたいし好かれたいけど、

 

 

 

 

 

 

 

 

今日の星占いではかに座が1位。 

「長引いていた問題が解決してスッキリ」

笑ってしまった。

どれのことだろう、だれのことだろう。