君と僕は一生の友達なのさ

去年夏

深夜1時に電話で銀杏BOYZの話をした。前日に会った中野のサイゼリアでも銀杏BOYZが好きだという話をしていた。「YUKIが歌ってる漂流教室は聴いた?聴いてない?絶対聴いてよ、ね。」と念押ししてきた彼女とは、なぜかその時から、同じ方向を向いてる気がして好きになっていった。だけどいつも優しくて、苦しそうで寂しそうで不安になった。なんでも話せるけど、なにかひとつで壊れてしまいそうなくらい、小さくて繊細な人、優しすぎるから時々弱くなって、時々豪快で、機械にかなり弱い、面白いときはでかい口で笑う、音楽が好き、酒が好き、犬が好き、花が好き、無礼者には容赦なく喧嘩腰、可愛い人、そして、文章を書くのが好きな人。

そんな友達が苦しそうに、楽しそうに書き上げたエッセイ本を、一緒に販売してきた。絶対、もう飾ってるだろうなと思って、花は買わずに、チョコレート菓子をたくさん買って行ったら、販売ブースにはやっぱり花が置かれていた。それも花瓶じゃなくて酒瓶で。酒瓶に花生けてた。キンミヤ。

 

ブースでも普段会ってる時のように談笑をしていたら、彼女に会いにきた人、会場で初めて本を手に取る人、ツイッターを見て買いにきた人が何人も売り場へやってきて、口下手な彼女は一生懸命対応をしながら人が帰った後は、しきりに「嬉しい、嬉しい」と笑っていた。花柄のノートにきてくれた人の数を正の字で書き込んでいって、棒が増えるたびに顔を見合わせてふたりで笑った。

小さくて華奢な肩で、自分が入れそうなほど大きなキャリーケースを抱えてここまできて、それ以前に、機械にかなり弱いのに、パソコンで、自分に向き合って本を作ってここにいて、会いにきてくれる人がいて、買ってくれる人がいて、本当にすごい人だ、と心底思った。ブースは狭くて2人横に並べなかったのが幸いして、彼女の背中を見ながら、2度泣いた事を知られずに済んだ。わかんないけど、私が泣いたら彼女も泣くんじゃないかと思った。白いワンピースがとても似合ってた。

打ち上げと称して高円寺で飲んだ。バカみたいに。楽しそうに、笑ってくれた。わけのわからないダンスをして、叫んでいた。お疲れ様。よく眠ってください。

 

これまでと、今日の彼女と、彼女の本を買っていった人達を間近で見て、すごく勇気をもらえたこと、絶対忘れないです。

 

 

YUKI漂流教室を聴いた。

私は銀杏BOYZ漂流教室の方が好きです。ありがとう、いてくれて。